各ステージに応じた最適ながんの放射線治療を徹底研究!
ここでは放射線治療で使用されるガンマナイフの特徴や治療適用範囲、費用などについて紹介しています。
領域照射 | 長体軸照射 | 定位照射 | 複数定位 | IMRT | |
---|---|---|---|---|---|
トモセラピー | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
サイバーナイフ | × | × | ◎ | ◯ | ◯ |
VERO | ◯ | - | ◎ | - | ◯ |
ガンマナイフ | - | - | ◎ | ◯ | - |
陽子線治療 | ◯ | ▲ | ◯ | × | ◯ |
重粒子線治療 | ▲ | × | ◯ | × | ◯ |
ガンマナイフとは1968年にスウェーデンで開発された頭蓋内病巣への放射線治療を行うための装置です。
201個の線源(コバルト60)から出るガンマ線の量を個別に調節し、病巣部に対して虫眼鏡の焦点のように集中的に照射できるのが特徴です。
頭部をフレームで固定するため高い精度が確保され、周囲の正常細胞を傷つけることなく、まるでナイフで切り取るかのように病巣を凝固・壊死させることができます。
照射時間は病巣の大きさや照射線量によっても変わりますが、概ね30分から1時間前後で終了。事前検査や頭部を固定するなどの準備を含めても2~3日程度で済むので長期の入院は必要としません。
開頭手術を行わなくとも脳内の小病変を治療でき、手術が困難な脳深部の病巣や小さな腫瘍が多数あるような場合でも一度に治療が可能です。
このような治療法は低侵襲治療と言って外科手術に比べて患者の負担を大きく減らすことができるため近年は特に注目されています。
頭蓋内病変が主な治療適用範囲ですが、基本的には直径3cm以内が良いとされています。それ以上の大きさの場合は適応外になり開頭して摘出手術が行われた後に、残存・再発病変に対しガンマナイフが使用されます。
現在ではリニアックのX線でも同様な治療が可能になっていますが、国内に導入されるようになってから20年の治療実績があり画像診断技術も向上しているため、今後さらに進化することが期待されます。
脳腫瘍(髄膜腫、聴神経腫瘍、転移性脳腫瘍)や脳動静脈奇形などの頭蓋内病変や機能的疾患(三叉神経痛、パーキンソン病、てんかんなど)
※脳腫瘍全般・脳血管奇形は健康保険適応
治療にかかる費用は約60万円ほどで、健康保険適用で3割負担なら約20万円です。
定位的放射線治療
※このサイトで紹介しているクリニックでの導入実績が確認できませんでした。ガンマナイフ導入の病院は以下の通り
ここでは放射線治療に取り入れられている「ガンマナイフ」の副作用や治療後について説明。また妊娠中の放射線治療について紹介しています。
ガンマナイフはガンマ線を照射することにより、患部を治療する方法です。ガンマ線による痛みなどはなく、治療中も副作用の心配などはありません。
治療中の姿勢によっては、首や背中、腰などに負担がかかる場合があるため、ベッドの高さなどを調節して痛みが出ないように工夫することができます。
治療後の副作用としては、照射が終了した直後、放射線宿酔と呼ばれる吐き気やめまいなどがみられる場合があります。しかしこれらの症状は一時的なものであり、時間の経過とともに消えていきます。
ガンマナイフを脳に使用した場合の副作用としては、脳浮腫と呼ばれるむくみが生じたり、部分的な壊死が起きる可能性があります。
むくみが発生した際は、抑制のための薬を使用し、壊死については発生率を下げるために放射線の量を調節して予防します。
頭部への放射線治療による「脱毛」についても、頭髪すべてが抜け落ちることはなく、部分的に髪の毛が抜けるといった程度のみで収まります。
こちらも時間とともに再び再生しますので、部分的に髪が抜けてしまっても、治療後一定の時間が経てば元に戻ります。
ガンマナイフ治療は一日で終了し、副作用も出にくいというメリットがあります。
大掛かりな手術の必要がなく部分的な治療が可能なので、体への負担もごく最小限で済み、体力が落ちている方やお子さん、高齢の方でも安心して治療を受けることができます。
その他にガンマナイフの治療に関する注意点としては、フレームを固定する段階で頭に痛みが走る場合があります。
治療を行ううえで頭部をしっかりと固定しなければならないため、激しい痛みが走るようであれば医師に直接相談のうえ、負担を最小限に抑えてもらいながら治療を進めていく必要があります。
病院によっては局所麻酔や静脈麻酔を使い、痛みを抑えながら治療を行うことができます。我慢できないほどの痛みではありませんが、辛いと感じる場合は医師に相談のうえ、鎮痛剤や麻酔を使用するのも一つの方法です。
ガンマナイフの治療はごく短い時間のうちに終了します。治療後は副作用の心配もほとんどなく、安全に予後を過ごすことができます。
治療中に蓄積した背中や腰の痛みについても、安静にしていれば徐々に元に戻ります。ガンマ線による痛みの心配はありませんので、患部を癒すためにも、安静に過ごす必要があります。
治療後に再び脳腫瘍などが見つかったり、別の場所に転移していると判断された場合にも、もう一度ガンマナイフ治療を受けることが可能です。
ガンマナイフそのものは安全性の高い治療ですので、照射自体には特に重篤な副作用の心配はありません。
ただし、同じ場所に繰り返しガンマナイフ治療を施すことについては、慎重に決める必要があります。転移した場所や腫瘍の大きさなどによっては、手術による治療を勧められる可能性もあります。
ガンマナイフは照射した部位のみに適用される治療なので、貫通の際にガンマ線が触る頭皮や骨、組織などについての影響は少なく、治療計画もすべてコンピューターによって作成するため、安全性の高い治療方法です。
治療計画については医師とよく相談のうえで、予後についても医師の指示に従うことが大切です。
妊娠中については、ガンマナイフを含む放射線治療は控えた方が良いと言われています。
治療中に胎児に影響する放射能の量はごくわずかではありますが、検査に必要となるCTスキャンなどの検査でも微量に被ばくするため、体に累積する被ばくから胎児に影響が出る可能性があります。
ガンマナイフ治療は出産を終えた後か、妊娠する前に行っておくのが無難と言えるでしょう。